現代世界建築見聞記Vol.04 百子湾公営住宅(中国、北京) 設計:MAD(MAD アーキテクツ)

Photo by ArchExist

敷地は北京の中央繁華街近くにあり、総延床面積473,000m2に及ぶ巨大開発である。全体は12棟の集合住宅から成り、4,000戸の住居がある。すでに約3,000の家族が入居済となっている。

Photo by Zhu Yumeng

MADは敷地の中心を貫通するメイン道路によって、固定されたエリアを6つのブロックに分けた。その結果、大きな敷地は、より小さなヒューマン・スケールになった。中心街には商店やコンビニエンス・ストア、店舗、カフェ、レストラン、幼稚園、薬局、書店、高齢者施設などがある。歩道が6ブロックすべてをめぐって、多種の店舗、ジム、コミュニティ・ガーデン、バトミントン・コート、子供用運動場、生態保護区など、大きな空中公園が形成された。

Photo by ArchExist

建築の特徴は、1階レベルの公園、2階レベルの公園、屋上などのグリーン部分を増やし、住人がグリーンや屋外を楽しめるよう、47%の緑地をデザインし、商業住宅エリアでは30%となっている。4,000戸の住戸群は6種類のタイプがあり、40m²、50m²、60m²の3つの低エネルギー消費タイプに分かれる。

Photo by CreatAR

建物はパッシブ・ハウスのコンセプトを採用し、通常よりエネルギー消費を90%も削減する建築となった。MADは中国における斬新な生活環境の育成を、この建築に託したのである。

2025年4月
文:淵上 正幸(建築ジャーナリスト)
Baiziwan Social Housing(Beijing, China)
Design : MAD(MAD Architects)
Photos : ArchExist / Zhu Yumeng / CreatAR